どぶろく商品開発の経緯
【2024.09.21】
その中でも、今も参考にしているのが「ヒットを生み出す最強チーム術 キリンビール・マーケティング部の挑戦」という本です。この本には、ヒット商品を生むプロセスが具体的に書かれていて、それを参考にしながら、どぶろくの商品開発を進めていきました。
1. 市場分析とインサイト発見
ヒット商品を作る第一歩は、徹底的な市場分析です。キリンビールでは、消費者のニーズやトレンドを把握するために、データ分析とフィールド調査を行い、消費者の行動パターンや潜在的なニーズを発見していました。私もこれに倣って、酒屋やスーパー、居酒屋などの現場に足を運び、消費者が何を求めているのか、どぶろくにどんな可能性があるのかを探りました。
ただ、今振り返ると「自分の商品ができたらどこに並ぶのか」だけを意識してしまっていて、本当の意味での市場分析はできていなかったんだなぁ…と痛感します。。。
2. コンセプトの策定
次に行ったのがコンセプトの策定です。市場のデータや消費者のニーズをもとに、どぶろくをどう位置づけるかを考えました。競合との差別化や、消費者にとっての付加価値をどう提供できるかを検討し、感情に訴えるコンセプト作りを意識しました。「高千穂の伝統と神楽の舞を感じられるお酒」といった、地域の文化と結びついた商品イメージを考えたんです。
これは元々神楽で登場するどぶろくを商品化する、という目的だったので、どこまで神楽や神様の要素を商品で表現するかを特に意識しました。
3. 製品の継続的な改善
最後に大事なポイントとして、この本では製品の継続的な改善が強調されていました。商品が発売された後も、消費者フィードバックを基に改良を重ね、時代やトレンドに合わせてアップデートしていくというアプローチです。私も、どぶろくを販売した後は、消費者の声を聞きながらどう改善できるかを常に考えていました。
ここが一番難しいと今でも思います。実際に試飲してもらうと、意見もさまざまで、どの意見をどう反映させるか、その判断基準を作るのが一番重要なポイントなんだな、と感じています。
当時は、知識がないのは当然として、圧倒的に経験が足りなかったこともあり、この本を参考にして商品化までは何とか進めたものの、営業活動では大苦戦することになりました…。理論は理解できても、実践は別の難しさがあったんですね。
次回は、その営業で苦戦した話と、そこから学んだことをお話しします!どうぞお楽しみに。